Youth Hold Out Hope for Banning Nukes - JAPANESE

AddThis

核兵器の禁止を望む若者たち

【ベルリン/ジュネーブIDN=ラメシュ・ジャウラ】

若者の手にかかれば、世界のすべての核兵器は非人道的なものだと宣告され、核兵器を禁止する包括的な条約が実現するだろう。これは、ジュネーブの国連欧州本部(UNOG)で開催された重要な会議の中で発表された、国際意識調査の結論である。

創価学会インタナショナル(SGI)の青年部のメンバーが行ったこの調査では、15歳~45歳の回答者の91.2%が「核兵器は非人道的である」と答え、この大量殺戮兵器を禁止する包括的な国際条約を支持する声は80.6%に上った。

SGIは、世界に1200万人以上の会員を擁し、社会的活動を行う仏教組織である。SGIは、創価学会の戸田城聖第2代会長が1957年9月8日に「原水爆禁止宣言」を発表して以来、核兵器廃絶を求めるキャンペーンを行ってきた。また2007年には、核兵器の全面禁止を支持する世論を活発化するため、「核兵器廃絶のための民衆行動の10年」キャンペーンを立ち上げた。

SGIの池田大作会長は、2010年の「平和提言」の中で、広島・長崎への原爆投下70周年にあたる2015年に両市で核廃絶サミットを開催するという考えを提唱している。池田会長は、2011年の平和提言でもこの考えを繰り返し述べているほか、その翌年には、2015年の核不拡散条約(NPT)運用検討会議を広島・長崎で行うべきとの提案をしている。

池田会長は、2013年の「平和提言」では、さらに一歩踏み込み、核兵器なき世界に向けた拡大首脳会議の開催を提案した。「広島・長崎への原爆投下から70年となる2015年にG8サミット(主要国首脳会議)を開催する際に、国連や他の核保有国、非核兵器地帯の代表などが一堂に会する『核兵器のない世界』のための拡大首脳会合を行うことです。例えば、2015年のホスト国であるドイツと交代する形で、2016年の担当国である日本がホスト役を務め、広島や長崎での開催を目指す案もあるのではないかと思います。」

SGIの青年メンバーが、日本・米国・英国・イタリア・豪州・韓国・ブラジル・マレーシア・メキシコの9か国で2012年12月から今年2月にかけて意識調査を行ったのには、こうした背景があった。9か国には、核兵器国、米国の核の傘の下にある国、非核兵器地帯の下にある国もある。

調査結果の重要性

核兵器なき世界に向けての運動を展開している「グローバル・ゼロ」の調査に照らし合わせると、このSGIの調査結果の重要性が鮮明になる。同団体によると、9つの核兵器国は、2011年に核兵器プログラムに1000億ドルを費やしているという。

この推計自体は控えめなものだが、軍事支出全体の約9%を占めるという。「グローバル・ゼロ」は、このままのペースだと、今後10年間で核兵器とその直接的な支援システムの維持のために少なくとも1兆ドルが世界で費やされることになるとみている。

9か国とは、NPT第6条に規定された公式の核兵器国であるロシア・米国・フランス・英国・中国と、非公式の核兵器国であるイスラエル・インド・パキスタン・北朝鮮の4か国である。

SGIの青年メンバーによる調査結果は、4月22日から5月3日にかけてジュネーブで開催された2015年NPT運用検討会議第2回準備委員会の議長であるルーマニアのコーネル・フェルタ大使に手渡された。

この調査結果の発表からさかのぼること約2か月、核兵器がもたらす人道的影響について検討するための画期的な政府間会議が、ノルウェー政府主催の下、3月4日~5日にオスロで開催された。

オスロ会議は、2010年のNPT運用検討会議以来高まりを見せている、核兵器が国際人道法に反することを訴える運動を受けて、開かれたものであった。2010年会議の最終文書は、「核兵器のいかなる使用も壊滅的な人道的結果をもたらすことに深い懸念」を表明し、「国際人道法を含めて、適用可能な国際法をすべての国家が常に遵守する必要性」を再確認した。

これに続いたのが2011年11月の国際赤十字・赤新月運動の代表者会議による決議である。同決議は、すべての国家に対して、「法的拘束力ある国際合意を通じて、核兵器の使用を禁じ完全に廃絶する交渉を誠実に追求し、緊急性と決意をもって交渉を妥結すること」を訴えた。

その後、2012年5月に開かれた2015年NPT運用検討会議の第1回準備委員会において、ノルウェーとスイスが主導する形で、核軍縮の人道的な側面に関する16か国共同声明が発せられた。同声明は、「冷戦終結後においても、核による大量殺戮の脅威が21世紀の国際安全保障環境の一部を形成していることに重大な懸念を持っている」と述べている。

壊滅的な人道的帰結

識者らは、オスロ会議で焦点が当てられた、核兵器がもたらす壊滅的な人道的帰結について、真剣に検討を開始すべきだという点で一致している。

「いかなる国家あるいは国際機関も、核兵器の爆発が直ちにもたらす人道面における緊急事態に十分対応し、被害者に対して十分な救援活動を行えるとは考えにくい。実際、そのような対応能力を確立すること自体、いかなる試みをもってしても不可能かもしれない。」

「核爆発がもたらす効果は、その原因はともかく、国境によって留められるものではなく、当該地域だけでなく世界的に、各国や民衆に対して重大な影響を及ぼすことになるだろう。」

SGI平和運動局の事務局長である河合公明氏は、2013年4月26日にジュネーブの国連欧州本部で行った発表において、こうした議論、また、人間のミスから同様に悲惨な帰結がもたらされかねないことにより、核兵器なき世界を実現するという取り組みにおいて、世界の市民社会は決定的な役割を果たすことを求められている、と述べた。

人間のミスがもたらす帰結については、「核時代平和財団」の創設者で現所長でもあるデイビッド・クリーガー氏によって次のように指摘されている。「核戦争はありえないと思われていますが、事故や計算違いで、あるいは何者かの意図によって、実際に起こりうるのです。福島第一原子力発電所の事故による大量の放射能拡散が、それが実際に起こるまでは想定外だったように、核戦争の可能性も、抑止が破綻し核戦争が実際に起こるまでは、ありそうにないことだと見られているのです。人間について我々が知っていることのひとつは、人間は過ちを犯すということです。我々は完ぺきであることはできず、いかに注意深くやろうとしても、ミスをなくすことはできないのです。つまり、人間の可謬性(=人間が誤りを犯しうる存在であること)と核兵器は、きわめて不安定な組み合わせなのです。」

一方、クリーガー氏は絶望を戒めている。彼は国連欧州本部でのプレゼンの中で、「絶望はあきらめを導くものであるが、希望はひとつの選択です。我々は、希望を選び取ることができるのです。」と述べ、核兵器なき世界を視野に入れつつ「大胆さと希望」を持つよう訴えた。

「絶望ではなく希望を」との主張は、SGIの青年メンバーが調査した若者の圧倒的多数の意識を反映するものであった。創価学会青年平和会議議長で、今回の意識調査をとりまとめた浅井伸行氏は、「これだけ多くの若者が核兵器を非人道的なものと認識していることは、非常に勇気づけられることです。これからも、核兵器とそれが及ぼす脅威の大きさについて、世界の若者たちに訴えていきたいと思います。」と語った。(04.30.2013) IPS Japan/IDN-InDepthNews

ラメシュ・ジャウラは、IDNとその関連出版「グローバル・パスペクティブス」のグローバル編集長。IPSドイツの編集長、「アザー・ニュース」の編集委員。「国際協力評議会」会長、IPSインターナショナル理事、核兵器廃絶の世論強化を目指すSGI-IPS合同プロジェクトのグローバル・コーディネーター。

 

Search