Civil Society Raises Pressure Over NPT - JAPANESE

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NPTへの圧力を強める市民社会

【ジュネーブIPS=ラヴィ・カント・デヴァラコンダ】

2015年核不拡散条約(NPT)運用検討会議に向けて、22日から5月3日まで第2回準備委員会の会合がジュネーブで開催されている。こうしたなか、市民社会やいくつかの国の代表らは、ますます深刻性を増す核兵器問題と、核兵器の使用がもたらす人道的帰結を議論の中心に据えようとしている。

核軍縮と核兵器禁止のために活動している圧力団体の世界的連合体で、ジュネーブを基盤にしている「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のレベッカ・ジョンソン共同代表は、「NPTには、それ自体のプロセスといつものやり方がこれまではあった」と語った。

今回の準備委員会会合では、ジュネーブで開催予定の2015年運用検討会議に向けた議題を準備するため、今後2週間をかけてさまざまな問題に焦点を当てることになる。

より重要なことは、この会議が、朝鮮半島の核をめぐる緊張の高まりと、イランのウラン濃縮計画という背景の下で開催されることである。また、いくつかの参加国は、核兵器がもたらす人道的影響に関する国際会議を先月オスロで開いたばかりである。

「私の希望は、多くの国が、核問題を人間のレベルに落とし込み、核兵器が及ぼす人道的帰結について理解することの重要性について(ジュネーブの会合で)議論するようになることです。」とジョンソン氏はIPSの取材に応じて語った。

またジョンソン氏は、今会の準備会合で南アフリカ政府が提出予定の、核兵器がもたらす人道的側面に関する声明に、多くのNPT加盟国が署名するものと期待している。

「(核兵器がもたらす)人道的影響についての対話を継続することで、NPTにおけるパワー・バランスを変えていきたいのです。」とジョンソン氏は語った。

NPTは1970年、各国が核兵器を製造することを防ぐという自認の目標を掲げて発効した。それ以降189か国が条約を批准したが、インド・イスラエル・パキスタンは加盟を拒否してきた。これら3か国は核兵器を保有し、その総計は50~200発と見られている。

P5」として知られる公式の核兵器国、すなわち、米国・ロシア・英国・フランス・中国は、核軍拡競争を「停止」し、核「軍縮」を達成するため、条約上の措置を履行する義務を負っている。

国連安保理常任理事国でもあるこれら核兵器保有5大国は、先週会合をもち、核問題について対話を促進し相互理解を図る必要性について議論した。P5は、NPTの3本柱として知られる「不拡散」「原子力の平和利用」「軍縮」に関するさまざまな問題について意見を交換し、核軍縮目標へのコミットメントを再確認した。

しかし、この45年の間、核軍縮における進展はきわめて限定的あるいは些細なものであった。ICANの活動家マーティン・ヒンリッチ氏は「核軍縮にあまり進展はなく、この麻痺状態を脱する新しい動きを必要としています。さもなければ、新たな冷戦時代が訪れるでしょう。」と語った。16か国の代表が集まったICANの意見交換会(20日~21日に開催)では、NPT準備会合の期間中、どのようにキャンペーンを展開していくかについて話し合われた。

「彼ら(P5)には既得権があり、核兵器を配備・保有し、近代化する産業や防衛産業、軍隊を作り上げてきたのです。」とジョンソン氏は語った。

またジョンソン氏は、P5各国にとって「現状を維持し、新しい国が核クラブに参入してくるのを阻止することが国益を維持することになります。」と指摘したうえで、「P5は、この特別な地位に由来する数多くの特権を享受していることから、完全核軍縮に向けた実効的な措置を履行すると考えるのは間違っています。」と語った。

従って、核兵器廃絶実現に向けた「駆け引き」は、強力な核兵器を振りかざしているP5側から始まることはありません、とジョンソン氏は指摘した。

「核軍縮を実現するための変革は、非核兵器国の側から引き起こされなければなりません。」「彼ら(非核兵器国)には、核兵器は、たとえ国際法や国際政治のルールの中に埋め込まれていたとしても、同時に人道的な問題でもあると認識することで、変革を導く力と手段があるのです。」とジョンソン氏は語った。

従って、核兵器保有国がみずから核軍縮を進めてくれると信じて彼らに高い地位を与えることのないよう、注意しなくてはならない。ジョンソン氏は、「非核兵器国は補完勢力ではありません。こうした国々には、市民社会と力を合わせることで、政治に関与し、国際関係を変えることが求められているのです。」と主張した。

ICANは、核兵器に数十億ドルもの浪費をしなくてもよいように、誰であれ核兵器の保有に合法性を認めないという考え方を広めようとしている。(21.04.2012) IPS Japan

 

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