Most Inhumane of Weapons - JAPANESE

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非人道性の最たる兵器(池田大作創価学会インタナショナル会長)

IPSコラム=池田大作】

「核兵器は非人道的である」との考えに、世界のほとんどの人々が賛成するのではないでしょうか。今、核兵器を非人道性に基づいて禁止しようとする動きが芽生えつつあります。

不拡散条約(NPT)運用検討会議では、これが明確になりました。「核兵器のいかなる使用も壊滅的な人道的結果をもたらすことに深い懸念を表明し、すべての加盟国がいかなる時も、国際人道法を含め、適用可能な国際法を遵守する必要性を再確認する」との一文が最終文書に盛り込まれたのです。

その後、昨年5月には、ノルウェーやスイスを中心とした16カ国による「核軍縮の人道的側面に関する共同声明」が発表されました。

本年3月4日—5日にかけて、ノルウェーのオスロで「核兵器使用の人道的影響」をテーマにした政府レベルの国際会議が開かれます。それに先立ち、3月2日—3日には、核兵器を禁止する条約の実現は可能であり喫緊の課題であることを示すために、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)による市民社会フォーラムもオスロで開催されます。

今や保有国の間でも、核兵器の有用性に対する認識の変化がみられるようになってきています。昨年3月26日、アメリカのバラク・オバマ大統領は韓国で行った講演で「我が政権の核態勢は、冷戦時代から受け継いだ重厚長大な核兵器体系では、核テロを含め今日の脅威に対応できないとの認識にたつ」と述べました。

また昨年5月のNATOサミットで採択された文書でも、「核兵器の使用が考慮されねばならないような状況は極めて考えにくい」との見解が示されています。いずれも、核兵器を安全保障の中心に据え続けねばならない必然性が現実的には低下していることを示唆しています。

このほか、核兵器に対する問題提起は、他の観点からも相次いでいます。

世界全体で核兵器の関連予算は、年間で1050億ドルにのぼるといいます。その莫大な資金が各国の福祉・教育・保健予算に使われ、他国の開発を支援するODA(政府開発援助)に充当されれば、どれだけ多くの人々の生命と尊厳が守られるか計り知れません。核兵器は、保有と維持だけでも重大な負荷を世界に与え続けているのです

加えて昨年4月には、IPPNW(核戦争防止国際医師会議)とPSR(社会的責任を求める医師の会)により、核戦争が及ぼす生態系への影響についての研究結果をまとめた報告書「核の飢餓」が発表されました。

そこでは、比較的に小規模な核戦力が対峙する地域で核戦争が起きた場合でも、重大な気候上の変動を引き起こす可能性があり、遠く離れた場所にも影響を与える結果、大規模な飢餓が発生して10億人もの人々が苦しむことになると予測されています。

私は、これらを考慮した上で、全ての人々が尊厳ある生を送ることができる「持続可能な地球社会」への道を開くために、核兵器の問題に関して三つの提案を行いたい。

一つ目は、国連で議論されている「持続可能な開発目標」の主要テーマの一つに軍縮を当て、2030年までに達成すべき目標として「世界全体の軍事費の半減(2010年の軍事費を基準とした比較)」と「核兵器の廃絶と、非人道性などに基づき国際法で禁じられた兵器の全廃」の項目を盛り込むことです。

二つ目は、国際社会で核兵器の非人道性を中心とした議論を活発化させることで、核兵器禁止条約の交渉プロセスをスタートさせ、2015年を目標に条約案のとりまとめを進めることです。

三つ目は、広島と長崎への原爆投下から70年となる2015年にG8サミット(主要国首脳会議)を開催する際に、他の核保有国、国連、非核兵器地帯の代表などが一堂に会する「『核兵器のない世界』のための拡大首脳会合」を行うことです。

オバマ大統領は、韓国での講演で、「米国には、行動する特別な責務がある。それは道徳的な責務であると私は確信する。私は、かつて核兵器を使用した唯一の国家の大統領としてこのことを言っている・・・何にもまして、二人の娘が、自分たちが知り、愛するすべてのものが瞬時に奪い去られることがない世界で成長してゆくことを願う一人の父親として言っているのだ」と述べました。

国や立場の違いを超えて一人の人間として発したこの言葉に、あらゆる政治的要素や安全保障上の要請を十二分に踏まえてもなお、かき消すことのできない切実な思いが脈打っている気がしてなりません。私はここに、「国家の安全保障」と「核兵器保有」という長年にわたって固く結びつき、がんじがらめの状態が続いてきた〝ゴルディオスの結び目〟を解く契機があるのではないかと考えるのです。

核時代に生きる一人の人間として思いをはせる上で、広島や長崎ほどふさわしい場所はありません。

2008年に広島で行われたG8下院議長サミットに続いて、各国首脳による「拡大首脳会合」を実現させ、「核兵器のない世界」への潮流を決定づけるとともに、2030年に向けて世界的な軍縮の流れを巻き起こす出発点にしようではありませんか。(February 2013) IPS Japan

※池田大作氏は日本の仏教哲学者・平和活動家で、創価学会インタナショナル(SGI)会長である。

 

 

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