ICAN Resolved to Ban Nukes - JAPANESE

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核廃絶国際キャンペーン、核兵器禁止への決意あらたに

【オスロIDN=ラメシュ・ジャウラ】

ノルウェーは、28か国から成る北大西洋条約機構(NATO)の加盟国として米国の核の傘の下で保護されている。しかし、そのノルウェーからの大きな支援を得て、核兵器の違法化を目指す世界的な運動が生まれつつある。オスロで2日間の日程で開かれている「ICAN市民社会フォーラム」でのことだ。

「核兵器の人道的影響に関する国際会議」に先立って、3月2日~3日にかけて約400人の若者がこのノルウェーの首都に集まった。しかし、5つの「公式の」核兵器国(同時に国連安全保障理事会の五大国[P5])でもある米国、ロシア、中国、フランス、イギリスは、協議の上で会議をボイコットし、各国当局や、ICAN(核廃絶国際キャンペーン)のフォーラムに参加した非政府組織を驚かせた。

ICANのフォーラムは、エジプト、ナイジェリア、南アフリカ、ブラジル、チリ、コスタリカ、ドイツ、スウェーデンから若い活動家を選抜し、「核兵器の禁止」への幅広い世論の支持獲得を誓って、終了した。

1945年に広島・長崎に投下された原爆の被爆者たちによる胸をえぐられるような証言を聞いて、参加者らの決意はさらに強固なものとなった。また、核兵器の投下が医療、社会、気候に与える影響、いわゆる「核の飢饉」の恐るべき道筋についての報告もなされた。

アラン・ロボック博士は、インド・パキスタン間でほんの数発の核兵器による交戦があったとしても、大気中に多量の煤煙(ばいえん)が巻き上げられて、もっぱら北半球で太陽光を10年にわたって遮断し、地球上の気温を引き下げて「核の冬」を引き起こし、数十億人が飢餓状態に陥ると指摘した。

ノーベル賞を受賞した「核戦争防止国際医師会議」(IPPNW)のアイラ・ヘルファンド博士は、核兵器がニューヨークに投下された場合の恐るべき帰結について報告した。爆心地から半径3キロ以内では、爆発から100万分の1秒で太陽の表面よりも気温が高くなり、その次の3キロでは生物のすべてが破壊され、さらにその次の3キロではすべての可燃物が瞬時に発火してすべての酸素を費消し、巨大な火の玉が出現するという。その外では被害の程度は軽減されるがそれでもきわめて甚大なものである。しかもこれらは、その後の放射線被害と気候への影響を抜きにした、直後の被害だけの話だ。

「戦争と暴力のない世界」の国際スポークスパーソンであるトニー・ロビンソン氏は、科学者らによるモデルは、彼ら自身も言っているようにあくまでモデルであって、実際にはそれよりも被害は大きくなるであろうと指摘した。地球は「核の冬」を経験し、作物は何年も収穫できず、人類は絶滅の淵に追い込まれるであろう。彼らのモデルは、地球上にある1万9000発の核兵器のうちほんのわずかの部分が爆発したと想定しているにすぎないのだ。

ICAN運営委員会のメンバーであるトーマス・ナッシュ氏は、フォーラムの閉会にあたってこう述べた。「政府間会合はまだ始まっていないが、すでに我々は多くのことを成し遂げたように感じています。我々皆が言ってきたことは、各国政府は、核兵器がもたらす人道的帰結に焦点を当てるべきであり、130の政府がそのことを問題にするためにこの都市に集まってきている、ということなのです。」

「これを実現したのは私たちです。会議がどんな結果になろうとも、そのことは記憶しておくべきです。P5を追い込んだのも私たちなのです。」

ICAN英国支部の一部である「第36条」に勤めるナッシュ氏は、クラスター弾禁止に熱心にかかわった活動家でもある。クラスター爆弾禁止条約(CCM)はオスロで2008年に署名された。この条約の準備に尽力したノルウェーの国際的役割を示している。

CCMは、クラスター弾を無条件に禁止し行動の枠組みを設定することで、クラスター弾によって引き起こされる人間への影響と民間人への容認されざる被害の問題に対処している。記録に残されているクラスター弾被害者のうち、3分の1は子どもだ。被害者のうち6割は、日常の行動の中で被害にあっている。

市民社会の動員

ナッシュ氏は、ICANフォーラムは「大量破壊兵器を違法化し廃絶するための効果的な市民社会の動員の歴史における最新のステップ」のように感じられた、と語った。市民社会は、化学兵器禁止条約、生物兵器禁止条約によって、大量破壊兵器3種類のうち2つの禁止に成功している。また、核実験もすでに禁止されている。

「これらの動きでは、こうした兵器が人間や健康に与える影響は容認できないという認識を基にして、市民社会が動員された」とナッシュ氏は付け加えた。彼は、ニュージーランドの高校生だった約20年前、フランスの団体「平和運動」が主催して、フランスが太平洋で行った核実験に抗議するために、活動家の代表団の一員としてフランスに渡航したときのことを振り返った。

またフォーラムでは、ICANの共同議長で、「アクロニム軍縮外交研究所」の所長でもあるレベッカ・ジョンソン博士が、なぜ核兵器禁止条約が現実的で達成可能、実行可能なのかについて報告した。

ノルウェーのグライ・ラーセン外務副大臣は、核兵器廃絶は夢物語ではなく、核軍縮は現実に生きる人間の問題だとフォーラムの参加者に対して語った。

ベテラン俳優で、テレビドラマ「ザ・ホワイト・ハウス」で米大統領役を演じたこともあるマーチン・シーン氏は、もしマハトマ・ガンジーやマーチン・ルーサー・キング・ジュニア牧師が生きていたなら、彼らもICANに加わったであろうとフォーラムで語った。シーン氏は慈善事業に多くの時間と金銭を費やし、人道的な活動によって2つの賞を受けている人物だ。

「もし核兵器を禁止できないとすれば、それは私たちがそれが可能だと信じられなくなった時だ」というナッシュ氏の言葉は、フォーラム参加者の圧倒的な見解を表しているようにみえた。

またナッシュ氏は、「今後数週間、数か月で私たちが一致団結し、尊敬の念を持って包括的な運動を作り上げることができるならば、私たちは、核兵器禁止の交渉プロセスのただ中に自らの姿を見出すことになるでしょう。いったんそのプロセスが始まったら、それを止めるのは非常に難しいでしょう。」と語った。

ICANの代表らは、新しい核兵器禁止条約に向けて、各国政府や国際赤十字赤新月社連盟などと協働していくことになると述べた。この文脈で、ICANのプロジェクト・マネージャーであるマグナス・ロボルド氏は、東京に本部を置く在家仏教組織「創価学会インターナショナル」(SGI)の池田大作会長による2013年の平和提言を歓迎した。

池田会長は、平和提言の中で、NGO(非政府組織)と有志国による「核兵器禁止条約のための行動グループ」を発足させ、非人道的であり、毎年1,050億ドルをも費やす核兵器を禁止する条約づくりのプロセスを年内に開始させること求めている。

SGIは、「あなたの大事なすべてのもの核兵器なき世界に向けて」と題する展示をフォーラムと同時に開催している。この展示は、SGIICANが共同で制作したもので、IPPNWの第20回世界大会が2012年8月に広島で開かれたのに合わせて開始された。

12の視点から核兵器に関する40枚のパネルが展示されている(12の視点とは、人道、環境、医療、経済、人権、エネルギー、科学、政治、宗教、ジェンダー、世代、安全保障)。

SGIの寺崎広嗣平和運動局長は、1957年9月8日に創価学会の戸田城聖第2代会長が発した「原水爆禁止宣言」の55周年を記念するという意味合いもこの展示には含まれている、と語った。 (03.03.2013) IPS Japan/IDN-InDepthNews

 

 

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