Analysts Say Nuclear Talks Should Continue Despite Sabre-Rattling - JAPANESE

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武力による威嚇があってもイラン核問題協議は継続すべき、とアナリアストが指摘

【ワシントンIPS=ジャスミン・ラムジー】

イランとP+1(安保理任理事国〈米・英・仏・中・露〉にドイツを加えたグループ)が、イスタンブールで開催された「技術的会合」で到達したひとつの合意は、今後も協議を続けるという決定であった。

しかし、イラン問題の専門家らは、米国とイランが非難の応酬を演じていても、協議を継続することは外交プロセスを前進させる第一歩だと評価している。

核不拡散問題に取り組んできた米国のシンクタンク「軍備管理協会」のダリル・キンボール事務局長は、「外交はツイッターのようなスピードでは進みません。」「これらの協議の後で、核問題に関する特定の提案をようやく両者が行うになりました。欧州連合(EU)のキャサリン・アシュトン外務・安全保障政策上級代表が言うように、両者の主張には依然として大きな相違がありますが、重なっている部分も少なくないのです。」とIPSの取材に対して語った。

さらにキンボール事務局長は、交渉を前進させるために両者が取り組むべきポイントとして、「提案内容をさらに詳細なものにすること、実行手順に関する問題を解決すること、両者がこれまでよりもより創造的であらねばならないこと」の3点を挙げた。

イランによる20%濃縮ウラン生産という論争的な問題について初期段階の信頼醸成措置が取られたことには「大きな可能性」がある、とキンボール氏はみている。なぜなら、イラン側はこの問題を追求しつづける意図を何度も明らかにしているからだ。

キンボール事務局長は、「未来永劫というわけにはいかないが、まだ外交的解決を図る時間はあります。」と述べるとともに、「協議の実際の内容について報道陣に漏らす際には、双方とも戦略的に対応していることを忘れてはなりません。」と指摘した。

イスタンブール、バグダッド、モスクワでの3回にわたる高官級協議を受けて準備され、7月3日から4日早朝にかけて行われた今回の低レベル協議は、長年敵対関係にあるイランと米国による軍事的緊張関係が高まる中で開催された。

EUによる追加制裁としてイラン産原油の全面禁輸措置が正式に発動した翌日の7月2日には、イランが「偉大なる予言者7」と称する3日間にわたる軍事訓練(革命防衛隊宇宙航空部隊による地対地ミサイルの軍事演習:IPSJ)を行い、米軍基地とイスラエルを攻撃する能力があるとされる中距離弾道ミサイルを見せつけた。

さらに7月3日には、イランのメア通信社が、同国の国会議員220人がEUによるイラン産原油の全面禁輸措置は「敵対的行為」であると非難する声明を発した、と報じた。

自国の核事業は兵器関連のものではないと主張しているイランは、核不拡散条約にしたがって、イランには「平和的核技術への不可侵の権利」が存在し、「大国の覇権的な政策には屈服しない」、と繰り返し述べている。

また7月3日、イラン国営のIRNA通信は、EUによるイラン産原油の全面禁輸措置に対抗してホルムズ海峡での重要な石油供給ルートを閉鎖することを求める署名に120人のイラン国会議員が署名したと伝えた。

米国務省のヴィクトリア・ヌーランド報道官は、ホルムズ海峡の通過を妨害しようとするいかなるイランの試みも「国際法に違反しており、米国は容認しない」と記者会見において述べたが、米国が具体的にどう対処するのか、イランの声明を異常なものと見るかどうかについては、踏み込んだ見解は示さなかった。

「イランはこうした脅しを過去に何回も行っており、我々はいつも同じ声明で対抗してきた。」と同報道官は語った。

7月3日の『ニューヨーク・タイムズ』紙は、ペルシア湾での最近の米軍集結は「純粋に防衛的なもの」であると書く一方で、ホルムズ海峡を閉鎖しようとの試みはやめるべきであるとの「メッセージ」をイランに送るものでもあると評した。

匿名の国務省高官は同紙に対して、イランがこの死活的に重要な供給ルートを閉鎖しようとしたり米海軍に対抗したりしようとすれば、イランの船舶は「湾の底に沈められることになるだろう」と語った。

イランの元外務副大臣であり、マサチューセッツ工科大学でエネルギー政策関連の研究員を務めるアッバス・マレキ氏によると、米国とイランによる応酬は外交プロセスへ影響を及ぼし、武力紛争につながりかねないという。マレキ氏は、「米国がイランに対して強硬な手段に出れば出るほど、イランはそれに抵抗し、しかるべき反応をすることになる。」とIPSの取材に対して語った。

イラン・イラク戦争終結の交渉にも関わったことのあるマレキ氏は、「双方が、自分で事態をコントロールできる範囲に留まる努力をすべきだ。」と語った。

しかし、ワシントンのタカ派的なアナリスト達は、これまでに明確な成果が挙がっていないのを理由に、交渉継続の正当性に疑問を投げかけている。7月2日、ジェイミー・フライ、リー・スミス、ウィリアム・クリストルの3氏は、米国の3つの要求をイランが飲まないならば、外交努力を止めて制裁と軍事オプションの検討に進むべきだと大統領に勧告する44人の米上院議員の超党派書簡を称賛した。3氏はまた、「イランに対する武力行使の承認を真剣に追求する」よう議会に求めた。

しかし、前出のキンボール事務局長は、「交渉を打ち切ってしまえば、それによってイランが20%のウラン濃縮を進め、ウラン濃縮能力をさらに強化する措置をとる道を開いてしまう」として、現在の交渉プロセスを既に失敗と呼ぶ者は「きわめて無責任かつ単純である。」と批判している。

「外交交渉を通じてイランとの妥結を模索することによって我々が失うものは何もないのです。」とキンボール事務局長は語った。

また「国際危機グループ」のアリ・バエズ氏も、『アル・モニター』紙に掲載された論評の中で、外交プロセスを失敗と呼ぶのは時期尚早だと述べている。「イラン核危機の肝にある問題は、政治的なものであり物理的なものではない」と同氏は述べ、物理的な領域だと捉えればほとんど逃げ道はなくなってしまうが、「技術的領域においては妙策を凝らす余地がある」としている。

マレキ氏は、次回の協議では「ボールはP+1側のコートにある」と述べている。イラン側は、ウラン濃縮の完全停止を要求すれば協議は破談すると繰り返し主張しているが、「5%を超える濃縮の停止、包括的査察の受け入れなど、妥協を行う意思も示している。」

「しかし、イラン側でのそうした妥協に見合うもの、たとえば制裁の緩和をP+1側でも出さねばなりません。」とマレキ氏は語った。(07.05.2011 IPS Japan

 

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