Impassioned Plea for Averting War with Iran - Japanese

AddThis

|英国|イランとの戦争回避へ、熱烈な呼びかけ

【ロンドンIDN=リチャード・ジョンソン】

世 界各国で活動する100を超える加盟団体を持つ国際カトリック平和運動「パックス・クリスティ(国際本部:ブリュッセル)」の英国支部が、英国政府に対し てイランとの戦争回避を訴える熱烈な呼びかけを行った。声明には、「こうした戦争は世界的な大惨事に間違いなくつながるであろう。私たちのような運動こそ が、軍事侵攻に反対する力強いメッセージを発さなくてはならない。」と記されている。

また同声明は、イスラエルによるイラン攻撃の脅迫に間接的に言及して「軍事的攻撃は不可避的にイランとの戦争につながり、世界全体にとっての大惨事となるだろう。先制攻撃を語ること自体、違法で不道徳なものと考えられなくてはならない。」と述べている。

またパックス・クリスティは、「イランの民生原子力計画という未解決の問題」(イランにはその権利自体はある)と、核不拡散条約(NPT)違反となる核兵器計画にそれが発展する恐れに、正面から向き合うよう呼びかけている。

ここで注目すべきは、パックス・クリスティが、イランには民生用原子力開発(=原子力エネルギーの平和的利用)の権利があるということを強調し、逆の意味合いを持ってその民生計画が軍事的なものに転化する恐れを考慮に入れている点である。

パッ クス・クリスティは、「イランは北朝鮮と違ってNPTから脱退していない」ことを指摘している。「ただし、これはそのことだけで判断されるべき問題ではな い」とも、2012年3月13日に発表されたこの声明の中で述べている。また同声明は、「英国などのNPT条約加盟国は、自らの核兵器を削減することを約 束しているが、その公約は未だに果たされていない。」とも指摘している。

このことはNPT加盟、非加盟を問わず、英国以外の核兵器保有国(米国、フランス、インド、ロシア、中国、パキスタン、イスラエル、北朝鮮)にもあてはまることである。

またパックス・クリスティは、国際司法裁判所(ICJ)が1996年に、「核兵器保有国には核廃絶に向けた交渉を(誠実に)行い、そうした交渉を成功裡に妥結する義務がある」と勧告したことに注意を向けている。

し かし現実にはこのICJ勧告は無視されたままになっている。パックス・クリスティは、「イランの人々、そして、事故であろうと、誤解であろうと、意図的使 用であろうと、核兵器によって脅威を受けうる全ての人々と連帯して」、次のようなことを出口として探るべきだと提案している。

声明は、英国政府に対して、次のような模範を率先して示すよう求めている。

・ 次世代の核兵器開発をやめること。「英国は、核兵器廃絶の交渉を行うどころか、本来ならば民衆の真のニーズを満たすために使うことができるまずの数十億ポ ンドを費やして、トライデントの後継となる次世代型の核兵器を開発しようとしている。」とパックス・クリスティは指摘している。

・自らの核兵器工場・核施設に国際査察が入るのを認め、イランに求めているのと同等の透明性を実現すること。

・前進の兆しが見えたならば、イランへの制裁を停止すること。

・いかなる国家による核兵器保有も違法となるように、英国一国で、あるいは欧州連合(EU)や国連を通じて、あらゆる外交手段をとること。

・イスラエルの核保有はもはや疑いの余地がないことから、同国に対して核保有を公式に認めるよう求めること。

パッ クス・クリスティはまた、英国政府に対して、通常兵器の軍縮と核軍縮の継続的な計画を通じて中東地域を非軍事化する努力を行うこと、とりわけ中東非核兵器 地帯の創設に邁進するよう求めた。これは、今年ヘルシンキで行われる、「中東非核兵器地帯化に関する国連会議」の議題となっており、パックス・クリスティ は全ての国家がこの会議を支持するよう求めている。非核地帯ができれば、核兵器を搭載した他国の艦船は中東を巡航することができなくなる。

・共通で持続可能な安全保障を作り出すために、全ての国家の安全保障上の必要を満たすような共通の地域構造を創設する努力を支持すること。

「我々 が追求する平和は、兵器ではなく、あらゆる人間と全ての生物の尊厳を認める正義と非暴力行動へのコミットメントから生まれる。我々は、恐怖を生み出した り、他者を悪者と決め付けたり、通常兵器であれ核兵器であれ、武力に依存するような安全保障のモデルを拒否する」とパックス・クリスティは述べている。

ま た同声明は、カトリック教皇庁の国連代表であるフランシス・チュリカット大司教が2011年に行った演説に賛意を示して、「核拡散は、真に重大な課題であ る。しかし、不拡散の努力は、それが普遍的なものであって初めて効果的なものとなる。核兵器保有国は、非核兵器保有国に核兵器を追求させないようにと本当 に考えているのなら、自らの核兵器を完全に廃絶する交渉を行う義務を果たすべきだ。」と述べている。

軍縮委員会

国 連軍縮委員会もまた、2012年4月初め、普遍的な核兵器削減の重要性を強調している。イランのエシャグ・アルハビブ国連駐在次席大使は、4月5日に行わ れた委員会の一般討論の締めくくりに、「核軍縮問題は(委員会の)任務のうち長らく取り組めていない問題」だとして、議題の中での優先順位をあげるよう求 めた。

討 論の要旨には、「いかなる国が核兵器を持つことをも正当化しようとの口実にされているわけではないが、特定の核兵器保有国が依然として数十億ドルもの資金 を次世代型の核兵器開発にあて、核兵器生産施設を建設し、兵器を更新しようとしていることは、重大な懸念の元となっている。」と記されている。

ア ルハビブ氏はこの関連で、「イランは、2025年までの核兵器完全廃絶に向けた法的枠組みの採択に関する非同盟運動諸国の提案を支持する。核兵器禁止条約 (NWC)に関する交渉、および、全ての非核兵器保有国に対する消極的安全保証に関する普遍的かつ無条件で法的拘束力のある取り決めについて、交渉を開始 することが重要である。」と述べている。

他 方で、要旨にはこうも記されている。「一部の核兵器保有国は、自国の核兵器の一部を削減するとの意図を表明しているが、これまでに二国間あるいは一国で実 施された核兵器削減の規模は極めて限定的で、国際社会の期待を大きく下回るものであり、核兵器を完全に廃絶するとのこれらの国々の義務と見合うものではな い。」

ア ルハビブ氏は、もうひとつの重大な問題である水平的核拡散と垂直的核拡散の問題について、「核兵器の不拡散を最も確実にする方法は、NPTを『完全かつ非 選択的に』実行することであり、核不拡散の普遍性は、中東で唯一のNPT非加盟国(=イスラエル)の核政策が―フランスなどの支援も得つつ―地域と国際社 会の平和と安全を脅かしている現実に鑑み、とりわけ中東地域において保たれなくてはならない。」と語った。

中国のチャン・ヤンアン氏は、国際社会に対して、平和的で協力的、安定的な安全保障環境を作り出し、大量破壊兵器拡散の根本原因を取り除くよう求めた。

ヤ ンアン氏は、「協力してグローバルな核不拡散体制を強化し、国際的な努力の平等性と非差別性を確実なものにし、政治的・外交的手段を通じて『不拡散のホッ トスポット的な問題』を解決することにこだわっていくべきだ。」と指摘するとともに、「中国は、朝鮮半島とイランの核問題の平和的解決を求めており、関連 の外交プロセスは『今日、好機を迎えている』」との見方を示した。

さ らにヤンアン氏は、「核兵器の完全禁止に関する条約に向けた、段階的で長期的な計画が必要」と指摘したうえで、「最大の核兵器を保有する国には核軍縮に関 して『特別かつ第一義的な』責任があり、自国の核兵器を引き続き『大胆かつ相当規模で』削減していくべき。」さらに、「核兵器保有国は、安全保障政策にお ける核兵器の役割を低減すべきであり、全てのNPT加盟国が包括的核実験禁止条約(CTBT)の発効に向けて協調した努力を行うべき。」との考えを示し た。(04.17.2012)  IPS Japan/IDN-InDepthNews

 

Search