Anna Ikeda of SGI delivered a joint statement endorsed by 115 inter-faith and civil society organizations (CSOs) on 29 November. Photo Credit: SGI.
Anna Ikeda of SGI delivered a joint statement endorsed by 115 inter-faith and civil society organizations (CSOs) on 29 November. Photo Credit: SGI.

信仰を基盤とした組織が、核兵器は「最も邪悪」と非難

【国連IDN=ラジーナ・ラヒーム】

12月1日まで1週間かけて開催された核兵器禁止条約第2回締約国会議で、115の信仰を基盤とした組織(FBO)や市民社会組織(CSO)が、気候変動のもたらす災害と荒れ狂う軍事主義の二重の暴力に対して警告を発する共同声明を発表した。

「核兵器は、水や空気、土地、お互いの存在といった、私たちにとって最も大切なものをすべて消し去る力を持って、この愛すべき地球に解き放たれた悪であり、最悪の類の脅威をもたらすものです。」と声明は述べている。

11月29日に発表された声明文にはこうある。「私たちは、宗教指導者、実践者、さまざまな伝統の信者としてここに集い、核兵器に反対し、核兵器のない世界は可能であるだけでなく、核兵器のない未来はすでに実現しつつあるという絶対的な信念を、声を一つにして確認します。」

「私たちは、核兵器禁止条約(TPNW)が存在することに大きな喜びを感じるとともに、第2回締約国会合を機に、TPNWとその支持者である世界中の人々が、正義と平等の世界を目指して活動する勇気と決意、想像力を発揮してきたことを心から讃えたい。私たちは、森林や山、川、海を他の生物と共有するこの美しい地球に暮らしています。」

「しかし、この地球とそこに住まうすべてのものが、核兵器の恐怖にさらされています。世界の道徳的暴挙を、善なるものの再創造へと向かわせることは、信仰を持つ私たちの責任である。この観点から、私たちは昨年の国連総会で、クリーンで健康、持続可能な環境に対する権利が認められたことを歓迎するとともに、今回の締約国会議と同じ週に始まる国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)の成功に向けて祈りを捧げます。

画期的な国際法の制定

「私たちは、核実験や核使用の恐怖に苦しんだ世界中の被爆者(グローバル・ヒバクシャ)、そして世界をより安全な場所にするために生涯を捧げた何世代もの外交官、宗教指導者、活動家、研究者、芸術家、提唱者といった先人たちに敬意を表します。」「私たちはこの瞬間、この画期的な国際法と、それを普遍化したいとの決意をもって共にいます。そしてこのことが可能なのは、先人たちの努力の賜物であることを知っています。」

「同時に、この活動を未来に引き継ぐ勇気と才気、そして希望を持ち合わせた新世代の若いリーダーたちが急増していることにも勇気づけられています。私たちが誠実さと揺るぎない決意を持ってこの活動に取り組むのは、過去と未来の両方に多くの責務を負っているからです。」

「私たちの宗教的な伝統は広範なもので、何百万人もの人々を代表しています。それぞれがかつてないほど参事発生の恐怖に晒されているこの世界にあって、意味ある善良な人生を追求しようとしています。」

気候変動による大災害と横行する軍事主義という二重の暴力によって、地球と人類が世界的に脅かされている現状を目の当たりにしてもなお、人類が平和、健康、喜び、愛のために存在するという私たちの信念は揺ぎません。」

「核兵器は、水や空気、土地、お互いの存在といった、私にとって最も大切なものをすべて消し去る力を持って、この愛すべき地球に解き放たれた悪であり、最悪の類の脅威をもたらすものです。」

「すべての国にTPNWへの参加を呼びかける一方で、私たちは信仰者のコミュニティーとして、核抑止力を私たちの最も神聖な約束に反する誤ったイデオロギーとして糾弾する役割を真剣に受け止めています。私たちは、いかなる核兵器の使用にも反対するだけでなく、核兵器を使用するための準備や脅迫にも、不道徳なものとして心から反対します。」

前進

「私たちは、今回の会議で締約国に対し、条約第6条および第7条に規定された被害者支援と環境修復を実施する実践的な公約を前進させるよう求めます。私たちは、核兵器の直接的な影響を受けたコミュニティーの人々をケアし、汚染された土地や水を修復するよい担い手として行動するために、自分たちの役割を果たしていきます。」

「私たちは、TPNWが核兵器がもたらす様々な害に対して目を向けていることを歓迎します。私たちの信仰コミュニティーは、多大なる破壊をもたらす核兵器によって最も影響を受けた先住民族に対する独自のコミットメントを重く受け取っています。」

「私たちの信仰が、最も社会から疎外されている人々に対して特別な慈愛と配慮を向けるよう要請しているように、私たちは過去の暴力に対処し、より公正な未来に向けてコミットする意義ある道が同条約によって提示されていることを認識しています。」

「外交官や政策決定者、主唱者、活動家らが今週ニューヨークに集まる中、私たちは、核兵器のない別の世界は可能であると信じ、その新しい世界を実現するために働き、執筆し、街頭を行進し、祈り、唱え、瞑想し、声を上げ続ける世界中の人々の、より大きな輪によって支えられていることを知っています。核兵器は、私たちの身体の滋養とはならず、心に勇敢さを与えることはなく、精神に創造性を与えることはなく、魂にインスピレーションを与えることはありません。」

「核兵器は、私たちの生活に意味を与えてくれるあらゆるものを消滅させ、脅かし、破壊することしかできません。核兵器は、貧困や人種差別、病気、早死になどへの対処に必要な財源を奪います。だが私たちは、核兵器による破壊に直面して、強靭さと活発さを保ち、すべての人々が平和裏に生きる正義と権利を要求して、希望やビジョン、大胆さを奪う核のイデオロギーを拒絶します。まだまだやるべきことはたくさんあるのです。」

「私たちは信仰を持つ者として、核の暴力を正当化し、あるいは、核のイデオロギーの根底にある貪欲さと攻撃性を無視することを選択してきた私たち自身の宗教的伝統の中にある暴力の根源に取り組むことを約束します。私たちは、心の内を深く見つめ、私たち全体の安全に対する脅威に向き合いその脅威を生き延びる強さを手に入れることができるし、またそうするつもりです。」

「私たちは、あらゆる人々にとっての安全、安心、平和が実現しない限り、誰にとっても真の安全、安心、平和はないことを知っています。私たちは、今この時が緊急であること、そして、私たち全員にとって問題となっているのが愛する自然界と人類のコミュニティーであることを認識しています。」

「私たちの運命は絡み合っており、私たちの前に立ちはだかる脅威を無視することはできません。私たちが共有する未来を考えるとき、常に存在する脅威として強い恐怖と不安を感じます。」

「この恐怖は、今の時代に特有のものではありません。巨大な挑戦は、成し遂げるまでは常に不可能に感じられたという教訓に安らぎを得ながら、正義を求める過去の闘いの大胆さとビジョンから勇気を引き出そうではありませんか。」と声明は結ばれた。

次の組織が声明に賛同している。

貧困に対抗する市民アクション、米国フレンズ奉仕委員会、アングリカン平和主義者フェローシップ、節制を求める会、ピッツバーグ牧師教会、教皇ヨハネ23世コミュニティー協会、ビーヒューマン、ブルーデンホフ、聖心会総本部、平和教育センター、メキシコ・エキュメニック研究センター、クリスチャン核軍縮キャンペーン、クリスチャンノルウェー評議会、平和を求めるクリスチャンの会、教会と平和:欧州エキュメニカル平和教会ネットワーク、CIDSE:国際カトリック社会正義諸組織連合、スペイン司法平和一般委員会、キリスト・コミュニティ、キリスト・コミュニティ(英国)、ノートルダム・ド・シオン修道会アウグスティノ会総監部、民主主義を活かす会、ドミニカ修道女会:グランドラピッズ・シンシナワドミニカ修道女会、ドロシーデイ・カトリック労働者(ワシントンDC、ドゥビューク)、フランシスコ・リーダーシップ・チーム、友和会(イングランド・スコットランド)、フランシスコ平和センター(アイオワ州クリントン)、フランシスコ修道女会(イエスとマリアの御心の娘たち、米国)、米国メソジスト教会・教会と社会理事会、ハレ・ホオナニ:AMEフェローシップ、ニューヨークヘイワ平和と和解財団、メキシコ・シャローム・バプテスト教会、モントリオール・ノートルダム学院、コモンセンス研究所、聖母マリア修道会・ロレート総本部、ネバダ南部多宗教評議会、国際多文化協力アカデミー(IFCSN)、国際友和会(IFOR)、中米に関する多宗教タスクフォース、マサチューセッツ西部イスラム協会、シアトル公正平和評議会、メノナイト教会正義と平和委員会(スコットランド)、ロレット(国連BVM)、メリノール神父と兄弟たち、メリノールグローバル問題局、聖ドミニコ・メリノール修道女会、英国メソジスト教会、オーストラリア聖心宣教会正義と平和センター、オーストラリア南部多宗教教会、全国障害者サービス豪州全国教会評議会、ネバダ砂漠の経験を伝える会、北太平洋年次会合(クエーカー)、北部フレンズ平和理事会、聖エリザベス慈善修道会平和・正義・生態系保全局、核兵器廃絶オリンピア連合、メキシコ聖公会社会司牧、パックス・クリスティ(アオテアロア・ニュージーランド)、パックス・クリスティ(オーストラリア)、パックス・クリスティ(イングランド・ウェールズ)、パックス・クリスティ(フランス)、パックス・クリスティ(グリーンズバーグ)、パックス・クリスティ・インターナショナル、パックス・クリスティ(アイルランド)、パックス・クリスティ(ロングアイランド)、パックス・クリスティ(マサチューセッツ)、パックス・クリスティ(ニューヨーク州)、パックス・クリスティ(北西太平洋)、パックス・クリスティ(フィリピン)、パックス・クリスティ(クイーンズランド)、パックス・クリスティ(スコットランド)、パックス・クリスティ(ウビラ・アスブル)、アオテアロア平和運動、アフリカの平和を人々に、国民のための人民連合、平和と開発(PEFENAP)、ピッツバーグ地域パックス・クリスティ、プラム村実践センター(フランス)、プレスビテリアン平和フェローシップ・豪州クエーカー、英国クエーカー、ラレイフレンズ会合(クエーカー)、平和を求める宗教、豪州ロータリー、サレジオ宣教会、塩水機構アクションネットワーク、ノートルダム学校修道女会、トーゴ塩と光の会、SFフレンズ会合平和と社会問題、シェパルトン多宗教ネットワーク、シンシナティ慈善修道女会、米州慈悲修道女会正義問題チーム、アッシジ聖フランシスコ修道女会、クリントン(アイオワ州)聖フランシスコ修道女会、キャロンデレ(ロサンゼルス)聖ヨゼフ修道女会、スプリングフィールド(マサチューセッツ州)聖ヨゼフ修道女会、尊き血の修道女会(オハイオ州デイトン)、創価学会インタナショナル、南サリッシュフレンズ礼拝集団、聖マグダラ・マリア教区、社会正義と平和委員会(ピッツバーグ)、パックス・クリスティ(スザンナ教区、マサチューセッツ州デダム)、聖ザビエル大学(パラヤムコッタイ)、ティルネルヴェリ(インド)、世界主の教会、カナダプレスビテリアン教会、トラスト:気候アクション戦略家、公正な経済社会を求めるユニタリアン普遍主義者、連合改革教会(英国)、連合宗教イニシアチブビジョンGRAMインターナショナル、核兵器なき世界を求める声(連合宗教イニシアチブ)、豪州ウェルスプリングコミュニティ、ワシントン西部友和会、アマゾンの羽、世界教会評議会、ヨガコミュニティ(12.01.2023) INPS Japan/ IDN-InDepthNews